主 旨
年末年始無災害運動は、働く人たちが年の変わり目の何かとあわただしく、安全や健康面で特に注意を要するこの時期を無事故で過ごし、明るい年始を迎える
ことができるようにとの趣旨で、昭和46年から厚生労働省の後援のもと中央労働災害防止協会が主唱する運動で、本年で38回を迎える。
我が国における労働災害の被災者数は、長期的には減少傾向を示しているものの、年間55万人が被災し、1,300人を超える労働者の尊い命が失われている。
一度に多くの被災者を伴う重大災害の発生もいまだ跡を絶っていない状況にある。
一方、健康面に目を転じると、健康診断の結果で何らかの所見を有する労働者の割合は半数に達している。さらに、仕事や職場生活に関する強い不安、悩み、
ストレスを感じる労働者の割合は6割を超え、業務によるストレスなどにより精神障害を発症する事案が増加している。
このような状況の中、職場の安全や、労働者の健康を確保していくためには、経営トップの強いリーダーシップのもと、職場における安全衛生に対する取組み
を点検し、リスクの低減などに向けて自主的な安全衛生活動を強化することが必要である。
特に、年末は、繁忙な時期でもあり生産を急ぎがちになることに加え、職場全体が一斉に操業を停止し、清掃や修理を行うことが多く、年始に再び操業を開始
するにあたっての点検など、通常は行わない非定常作業が増加する時期であることから、各事業場、職場では災害防止のための特別な配慮が必要である。
一年の締めくくりを笑顔で送り、災害のない明るい新年を迎えるために、「安全再優先」の考え方を基本に、あわただしい時期にこそ、作業前の点検の実施、安全な作業方法の確認などを着実に実施することが重要である。
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